ある信用保証協会の幹部から聞いた話。
この信用保証協会は経営支援業務に積極的に取り組んでおり、地域内の金融機関や中小企業支援組織を巻き込み、ポストコロナに向けた総力戦連携の要(かなめ)となっていますが、
この10年、若手中堅職員の中途退職がゼロとのこと。
新人の3割が3年で辞めるともいわれる地域金融機関とは雲泥の差です。
その理由はどこにあるのか。
地域金融機関にしても信用保証協会にしても、地域のためにとの高いこころざしを持って入ってきていることは共通していますが、金融機関では多くの場合、個人向けの預かり資産業務が若手の仕事として割り振られます。高齢者に仕組み債のようなリスクの高い商品を売るのが仕事、そこに重いノルマを課されたらどうなるか、、、
一方、信用保証協会の業務は中小小規模事業者を対象とする、資金繰りと経営支援。まさに地域のお客さまのため役に立てる、それが地域経済の発展に資するものとなる、、
そして、この信用保証協会では、若手職員の仕事ぶりが地元メディアで取り上げられており、家族や友人、近隣の人たちからも褒めてもらえることが、モチベーションアップにつながっています。
ワタシは若手の早期退職増のストッパーは、感動体験を味わってもらうことだと思っています。(それに対し、中枢で活躍する中堅層の退職急増の流れを止めるには、経営陣の刷新しかありません。理由が経営に対するノーだからです)
この信用保証協会の若手職員たちは感動体験を日々、積み上げているように感じます。早期退職とは無縁の世界ですね。
コメント
多胡先生、『若手の早期退職増のストッパーは、感動体験を味わってもらうこと』には激しく同意です。若手営業担当者の働く上でのモチベーションアップに、感動体験は最も大きな要素であろうと思います。
そしてその感動体験を支えるものには、お客様の『営業体験』があります。
あるマーケティングの調査(米国調査会社CEBの調査)によると、お客様が「その会社のファンになる1番の要因」は商品・サービスの品質や価格ではなく『営業体験』でした。
つまり営業マンの売り方が、その会社のファンになるかどうかの最大要因だったということです。
では、その会社のファンになる『営業体験』を形成する要素は何か?これはとりもなおさずお客様の利益を考えた営業であるかどうかということです。「営業する企業の利益」を優先した営業では無くです。
お客様の利益があってこそ営業する企業の利益が確保されるという「営業マンの確固たる信念」がなければなりません。
では、その「営業マンの確固たる信念」を形成するのは・・・
やはり企業文化にたどり着くのだと思いますし、経営陣の思いに帰結するのだと思います。