岡山県北部に「方谷」(ほうこく)という渓谷の小さな駅があります。
全国的にも珍しい人名駅ですが、山田方谷の私塾の跡地に陰陽を結ぶ幹線・伯備線の駅が置かれました。
普通列車しか停車しないのですが、昼過ぎの時間帯で「特急やくも」の上りと下りの列車交換があり、上りのやくもが下り待ちで数分停車していました。
松江での仕事帰り、この上り列車に乗ることが多く、森閑の方谷駅を味わうことができたのです。
窓越し高梁川の向こうに一本の大木を見ることができます。
ワタシは司馬遼太郎さんの「峠」の舞台となったスポットと勝手に思っています。
長岡藩の河井継之助が方谷の塾を去るとき、塾の見える最後のところで頭を深々と下げた場所と思しき大木です。
コロナ禍で遅れている映画「峠」の封切りが待ち遠しいですね。
備中松山藩の執政として大改革を行った山田方谷は晩年、美作刑部(おさかべ)の近くに隠棲しました。
姫新線の沿線ですが、いまは新見市に属しています。
最後に、駅弁の掛け紙コレクションから新見駅のものをアップします。