先週7日の旅芸人ブログ「ミドルリスクという概念はない」に対し、
数多くのアクセスがありました。
このブログに登場する畏友のところは「資金を必要とするところにはすべて(反社を除く)に対応」しても絶望的な預貸率は改善できず、有価証券運用に依存せざるを得ないのですが、
その一方で、そもそも地元への融資(とくに事業者)には消極的、それでいて有価証券運用には熱心という、協同組織金融機関が自ら「会社型投信」に変身しているケースもあります。
最近も見識のあるメディア媒体が、この協同組織金融機関を
「本業は預貸とする呪縛から逃れた稀有な例」、「運用力に裏付けられた高めの預金金利を地域に還元するのも立派な地域貢献」、
と賞賛する記事を掲載しているのを見て唖然としました。
この記事の筆者は「同じようなビジネスモデルの地域金融機関は皆無に近く、このようなモデルを目指す地域金融機関にもお目にかかったことはない。」と書いていますが、
当たり前です。協同組織金融機関の本分からかけ離れているからです。
この金融機関の預貸率は1割以下です。
「会社型投信」に変身した金融機関の預金を預金保険の対象にしてもいいものなのか。素朴な疑問です。
また、協同組織金融機関(信用金庫、信用組合)は、金融機関である以前に協同組織ですが、このことを忘れ、協同組織金融機関でありながら、規模が大きくなると地銀の悪いところばかり真似をする機関が少なからず存在することも事実です。
上記のような“協同組織金融機関もどき”に軽減税率を適用することに、疑問を持つのはワタシだけなのでしょうか。
投信委託会社にでも、地銀にでも、さっさと業種転換して別業種の枠組みの中で、思う存分やればよろしい。
さて、
協同組織金融機関のガバナンスは、株式会社である地域銀行と比べるとまだまだです。
もちろん地域銀行の形だけのものも多く、そのような「なんちゃってガバナンス」は、いかがなものかなのですが、いまの協同組織金融機関のガバナンス体制ではワンマン経営者を牽制する「仕組み」すら十分ではありません。
トップのサクセッションも含め、改善すべき点は山積みです。
コメント
日本は契約型投信ばかりで、信託に資産が分別管理されているから「まあ、いいや」という無責任文化があり、これが投資家が運用責任者、運用方針に厳しい目線を向けないという他人事運用を許してしまっています。米国に比べて膨大なゾンビ投信の残存が許されるのはこのため。この意味では英国のように会社型投信は是非とも選択肢として選べるようにしていただきたいです。他方、ここに協同組織という非営利の優遇税制を適用するのはちょっと違和感があり、整理する必要があります。資産運用業界から会社型投信が出てきても、優遇措置を講じるとは思えませんので。